[COOPER 123] Case Particles, “ga” and “ni”, in the “giving and receiving” syntax
Presentation Title (in Japanese)
授受表現における格助詞「が」と「に」
Abstract (250 words or less in English or 500 characters or less in Japanese)
近頃、「ファンの皆様がたくさん来ていただいて」のように「〜ていただく」文の行為者を示す語につく助詞が「に」ではなく「が」となっている文をよく耳にする。野口(2013)は、これは「〜ていただく」と「〜てくださる」の混同から来る助詞の間違いで、デパートなどのアナウンスによくある「〜てくださいまして/〜ていただきましてありがとうございます」という表現に「誰が」「誰に」のどちらも表に現れていず、助詞の「が」も「に」も使われていないことが影響していると説明している。
本発表では、この「…が〜ていただく」の「…に」に代わる「…が」が、「〜ていただく」文だけでなく「〜てもらう」や受け身の文にも現れることに言及し、これを単純な助詞の誤用というのではなく、センテンスプロセシングと格の優位性に関わる問題と捉え、その原因を追求する。日本語話者だけでなく日本語学習者にも行った調査で、双方の誤用の違いを分析し、三上(1970)や柴谷(1978)の格に関する理論を参考に議論する。その結果、奇しくも主格の優位性を再確認したため、これを踏まえて、日本語の教室におけるこうした格助詞の扱いと効果的な教え方について考察する。
Language
Japanese
Location
Cooper Hall 123
Start Date
10-2-2018 3:00 PM
End Date
10-2-2018 3:30 PM
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[COOPER 123] Case Particles, “ga” and “ni”, in the “giving and receiving” syntax
Cooper Hall 123
近頃、「ファンの皆様がたくさん来ていただいて」のように「〜ていただく」文の行為者を示す語につく助詞が「に」ではなく「が」となっている文をよく耳にする。野口(2013)は、これは「〜ていただく」と「〜てくださる」の混同から来る助詞の間違いで、デパートなどのアナウンスによくある「〜てくださいまして/〜ていただきましてありがとうございます」という表現に「誰が」「誰に」のどちらも表に現れていず、助詞の「が」も「に」も使われていないことが影響していると説明している。
本発表では、この「…が〜ていただく」の「…に」に代わる「…が」が、「〜ていただく」文だけでなく「〜てもらう」や受け身の文にも現れることに言及し、これを単純な助詞の誤用というのではなく、センテンスプロセシングと格の優位性に関わる問題と捉え、その原因を追求する。日本語話者だけでなく日本語学習者にも行った調査で、双方の誤用の違いを分析し、三上(1970)や柴谷(1978)の格に関する理論を参考に議論する。その結果、奇しくも主格の優位性を再確認したため、これを踏まえて、日本語の教室におけるこうした格助詞の扱いと効果的な教え方について考察する。