Keynote Speaker

Professor Ken-ichi Miura

Director of the Japanese Language Program

Franklin & Marshall College

photo of Professor Ken-ichi Miura

ワークショップ概要

A Room with a View: 「つながり」による日本語教育とプロフィシェンシー

 語学学習における「言語」も「他者」に属する一つの領域である。言い換えれば、言語は必然的に他の領域と結びついているものであり、それらの領域ともつながることによってこそ学習者は語学学習者としてFosterの小説の登場人物のように有機的な成長を遂げることができるのである。

日本語教育においては、當作、中野、他 (2013) が言語を通じて多様な人、モノ、社会、文化と「つながる」ことにより言語だけではなく、社会の中の一人の人間としての生活力、創造力、人間性を身につけることに導くことを提唱している。また、佐藤 (2015) はそのような教育のためには、教師が「学習の専門家」である「学びの共同体」の中での指導が効果的であると述べている。

語学教育では、「眺めの良い部屋」から景色を見せだけでは真の言語使用者を養うことはできない。学習者を実際に景色の中に存在する様々な人、思想、社会等とつなげることによってのみ、それは可能である。このワークショップでは、始めに上述の研究者らの提言を基に、他者とつながり、更に上のプロフィシェンシーを目指すための具体的な授業案、教師の役割を紹介する。次に、様々なプロフィシェンシーレベルを目指す教室活動、教室外活動にどのような「つながり」を取り入れることができるかを参加者と共に考察したい。

参考文献

當作靖彦、中野佳代子、他 (2013).『外国語教育のめやす:高等学校の中国語と 韓国語教育からの提言』国際文化フォーラム.
佐藤学 (2015). 『学び合う教室・育ち合う学校:学びの共同体の改革』小学館.

ワークショップ担当者

三浦謙一
フランクリン&マーシャル大学(Franklin & Marshall College)日本語学科長(日本語、日本文化、日本のポップカルチャーの授業担当)

活動:ACTFL OPIトレーナー、WPT/OPIcレーター、米国国務省OPIテスター、AATJ Proficiency Assessment SIG会長

著書:鎌田修、嶋田和子(編)『新OPI入門(仮題)』(凡人社)、三浦謙一、渡辺素和子(編)『PBI での日本語教育(仮題)』(凡人社)(共に2018年出版予定)、「つながり重視の日本語教育のパラダイムシフト:米国の日本語教育の今とこれから」(『第11回OPI国際シンポジウム予稿集』, 2017)等

日本、日本語教育における研究分野:日本のポップカルチャーにおけるジェンダー論、Proficiency-Basedの日本語教育、ポップカルチャーを取り入れた日本語教育